さて、いよいよ6日目ですが、この日はなかなか書きづらい…。
何楽してんだコノヤロー
と言われれば、
ハァ、スミマセン…
と謝るしかないです、すみません。
そんなわけで、200kmワープ!
ハイエースで行くChilasへの旅~。
と、思っていたのですが。
実際そんなにすんなりとは事は運ばない。
昨日チラスまで乗せてってくれると約束したおじさんのハイエースにはすでに荷物が満載。
こりゃ~ムリだ。どーしよー
と20分ぐらい悩んだ挙句、出た結論は、ま、しょうがないか…
ストーンシャワーの中突き進む覚悟を決め、自転車にまたがろうとした瞬間
コミラコミラコミラ
と叫びながらけたたましくクラクションを鳴らす1台の空き空きハイエースがちょうど宿の前に停まったのです。
こりゃ―渡りに船ってヤツだ、とばかりさっそく交渉してコミラ村まで乗せていってもらうことに。
自転車は、車の上の荷台に載せました。
雨の中、まずはコミラ(Dasu)にむけて出発。
Beshamをでると、車はどんどん高度を上げて、インダス川ははるか眼下に。
雨模様で雲が多かったので山々のいただきは拝めませんでしたが、これはこれで神秘的な景色。
途中の村までグラサンかけたおじさんがクラヤの隣に座っていて、クラヤとずーっとしゃべっていました。
車の中で、不自由なく英語で会話できたのはコノ人だけ。
運転手はマッタク英語が通じなかったので、助かりました。
Dasuまでの料金は800Rs。
人間が一人100Rsで、自転車が1台100Rs。加えて荷物で座席2つを占拠しているということでこのお値段。
そう説明されれば納得です。
問題は、Dasuから先でした。
もともとこのハイエースはDasuまで行ったらまた客を乗せてBeshamまで戻る予定だったらしい。
が、金持ちそうな日本人が3人、Chilasまで行こうとしている。
チャンス!
と思ったかどうかはわかりませんが、車内で
「Chilasまで3200Rsでどうだ?」
と持ちかけられました 。DasuからChilasまでは120km。
これまで70kmで800Rsだったことを考えるとこの値段はかなり高い。
少々悩んだ結果、楽する道を選びました。
だってここからこぐのめんどいしぃ~
他の車見つけるのも骨折れそうだしぃ~
石投げられるしぃ~
Chilasまで遠いしぃ~
・
・
・
このまま乗っていたい…
恐るべきグータラパワー。
たとえるならそれは、ある寒い日の朝の二度寝。
誘惑に負けて、本日は計4000Rs払って終日車の旅と相成りました。
以下、思わぬ大金を手にしてご機嫌な運転手(英語は出来ない)。
だんだんと緑がなくなってくる。
剥き出しの山肌が迫力を持ってくる。
昼飯休憩。隣に川が流れてて、涼しくてなかなかいいところ。
ここで出会った人に、「あの自転車に乗せてくれ!」としつこく迫られましたが、降ろすのがめんどくさすぎるので拒否しつづけました。
そのひとが「乗せてくれ」というたび周りは大爆笑。
こっちが断るとまた大爆笑。
愉快な人たちです。
その後、同じ人にブドウをもらいました。
日本の種無しブドウの大きさのブドウに種がある仕様で、食べるのにコツがいる。
苦労して食べる割に報われないので(味はいいんですが)、残りました。残念。
途中で人を乗せたりしながらChilasまでの道を一気に消化。
軍のチェックポイントを抜けるとそこはもうChilas。
車の中で宿は「Karakurum Inn」と決め、宿の前まで行ってもらう。
空調とホットシャワーがあって800Rsと値段もまあまあ。
部屋に入って荷物を置くと、今日の車の運転手が入ってきました。
なので記念撮影。そうしたら去っていった…。
何がしたかったのかなぁ?
とりあえず笑顔だった。いい客だからね、我々。
みんなシャワーを浴び終わったあたりで、食料調達をかねてChilasの町まで歩いていくことに。
ところが、これが予想以上に遠かった。。。
KKHを折れて山の方に向かっていきます。
登っていくと、向こうの方に白い山並みが。
これから進む道のりに期待が膨らんだのもつかの間、僕らを発見した人々(主にガキども)がついて歩いてくる。
ここまでおおっぴらなストーカーがあろうか。
途中、写真をとってくれ、というのでとりました。
ある程度進んだところで、おじさんが現れてストーカーたちを追い払ってくれました。LOVE大人
ということで事なきを得ましたが、帰りはもっとひどいことになった…
Chilasの町をぶらつき、食料を調達して来た道とは別の道を下っている時でした。
木とか家とか、障害物が何もないどこからでも丸見えな広い平野。
あちこちに散らばっているガキども。
その中を突っ切るように歩くと、当然のように我々を発見したガキがついてくる。
周りのガキの異変を感じたヤツがそのガキについてくる。
その繰り返しで、5分もたたないうちに我々を中心に大軍団が形成されました。。。
僕ら、なんかいい匂いでも出してる?
大西とクラヤは早くその場を離れるよう足早に歩きます。
遅れたのは辻。子供たちに囲まれてる…というか埋まってる。。。
辻は現地人と同じ格好をしてたので、もはや遠くからではどれが辻かわからない。辻~!
危機的状況に陥っている辻をよそに、クラヤと大西は道路に出た後、やってきた乗用車に宿まで乗っけてってもらう。
なんて薄情な奴らでしょう。
でもそれがWFRの流儀!(ほんとか?)
さっさと宿に戻ってしまった大西とクラヤでしたが、さすがにそのまま辻を迎えにも行かないのは薄情すぎでしょう、ということで大西が自転車で迎えに行くことになりました。
今日こいでいなかっただけに宿から元気良く飛び出していきましたが、自転車からはガリガリ、ガリガリという音が。
リアディレラ―調整しなきゃな~、とは思ったんですが、今は辻を迎えに行くのが先決。だよね、誰が考えても。
ところが、そこから少し行ったところでガッガッガッガッガッと細かい変速が連続するようになり、マッタクこげない状態に。
何だクソ…と思ってみてみると、我が自転車のリアディレラ―部分が危機的状況に。
一瞬、何が起こってるのか分かりませんでした。
ディレラ―がありえない方向に曲がってる…なんだ…なんか引っかかってる…あ、
プーリーがない(゚Ω゚;)
え?
なに?
これ、どーすんの?
ぼーぜんとしました。何をすべき?辻ちゃんのことは頭から消し飛びました(ごめん辻…)
何とかかんとか考える。希望を見出せ、見出すんだ!
(希望1)どこかに落ちてるかも…
宿から50mぐらいは走れてたんだからここまで来るどこかに落ちてるかもしれない。
ともかく宿まで戻らなきゃならないんだから、よ~く目を光らせて帰ろう。
と、いうことで細心の注意を払いつつ宿に戻りましたが発見できず…orz
(希望2)プーリー1個ぐらいなくてもなんとかなるんじゃないか
あんなものが1個ないぐらいで走れなくなったらたまらんでしょー、と思ったんで1個のプーリーで頑張れないかと考えましたが、やはりプーリーは2個いるという結論に。そりゃそうか。
宿の駐車場でクラヤとうんうん唸っているうちに辻ちゃんが帰ってきました。
どうやら無事な様子。
「めっちゃ遠かったですよ」という辻にゴメンゴメンと言いつつも、心ここにあらずな大西。
もしどうにもならない場合、ここからクンジュラブ峠までの道は「メッチャ遠い」じゃすまない。「果てしない」になってしまう。。。
辻にも事情を説明し、部屋に持ち込んで3人で考える。
結果、
今はどうしようもない
といことに。
どうしようもない、とはいっても明日は走らねばならないので、最終手段チェーンを切ってシングルスピード化しGilgitまでは走る。Gilgitの自転車屋で何とかしてもらえることを最後の希望にして、まあとりあえず走ろうや、と。
運良く辻がニューチェーンを持っていたので(ありがとう、辻!)、プーリーさえ何とかなれば…
こんなわけで、これから2日間、初のシングルスピードツーリングをする羽目になった大西でした。