スリランカツーリング 後編 その2

第11日目 Galle~Beruwela
 いよいよスリランカツーリングも残り僅か。しかしどうやらこのままいくと一日早くColomboに着いてしまいそう。しかし、寄り道できそうなところもなさそうだし、このまま海岸沿いのA2を進むことになった。Galleから北はスリランカでも有数の超高級リゾートホテルが軒を連ねている。観光客も多く、サーフショップやダイビングショップなどが沢山見受けられた。ヤシの木、青い海、照りつく太陽、まさにここはトロピカルリゾートなのである。きっとここに来る外国人の大半は、日中ビーチでゴロゴロし、たまに海で泳ぎ、夜は高級ホテルのビュッフェで御馳走をたらふく食っているはず。しかし、そんなバカンス中の外国人が大勢いる中を僕たちは汗だくになりながら必死で自転車をこいでいる。なんて場違いなんだ!道行く人が奇怪の感を抱いた目で見てくるではないか。
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美しすぎる海                      水上寺院
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 リゾートホテル街を過ぎると景色は一変、廃屋が並ぶようになった。そう、ここは2004年の津波で多くの死者を出した場所である。あれから5年近くが経つが、廃墟がいまだに放置されている。住んでいた人は別の町に移って行ってしまったのだろうか。今は遺跡のような住宅の跡がところどころに残っているのみである。
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海岸沿いには廃墟が並ぶ
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 この日はBeruwelaのゲストハウスに泊まった。しかし、案の定夜に蚊がうるさく飛び回り、蚊帳があるにもかかわらず十か所以上刺され、まったく眠れない最悪の夜だった。イトー氏は半ギレ状態で唸っていた。
第12日目 Beruwela~Colombo
Colomboに近づくにつれて交通量が増え、チェックポイントの数も増えてきた。国道沿いも商店、住宅などでゴチャゴチャしてきた。バスも多く空気が悪い。スリランカでは主にインドのTataかスリランカのLanka Ashok Leylandのバスが走っている。どちらとも轟音と共に大量の排気ガスをまき散らしながら走る。急ブレーキ、急発進は常でよくエンストしている。燃費の効率は恐ろしく悪そうである。都市部ではクラクションをけたたましく鳴らし、障害物(車、人)を蹴散らしながら走るのである。自転車で横を通過するときは細心の注意が必要である。
 Colomboに着くころには排気ガスで息苦しく、喘息になるかと思った。急いで宿を探すがお目当てのゲストハウスは看板も出していないような一般の住宅。恐る恐る呼び鈴を鳴らすと、呼び鈴の音だけが家の中に鳴り響いた。数分後小柄なお婆さんが出てきた。やはりゲストハウスのようである。このお婆さんは使用人でオーナーは別にいた。オーナーは僕たちを見ると、「何をしに来た」と言いたげな目で冷たく迎えた。ひどく愛相が悪く、面倒臭そうに一応ニコリとしたが、すぐに真顔に戻った。なんだか泊まる気が失せてしまったがクーラー着きだし、部屋も綺麗だったので、泊まることにした。
 夕方に少し時間が空いたのでSri Jayewardenepura kotte 首都(一応の)に行ってみた。沼地に国会議事堂がポツンとあった。ただそれだけ。本当に首都なのか。遷都から20年以上経っているのにまだ首都としての機能は殆どなさそうだ。議事堂前の空き地では地元の人がクリケットを楽しんでいた。しかしここは「High Security Zone」らしい(そういう表示がいたるところにあった)。何ともミスマッチ。Colomboのままでも良かったのではないだろうか。少しの間クリケットを眺めて宿に帰った。
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民宿の前(絶対に民宿だとは分からない)          議事堂
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第13日目 Negombo日帰り観光
 空いてしまった1日をどう暇つぶしするか。散々悩んだ末、Colomboより北約30kmにあるNegomboに行くことにした。行きは鉄道、帰りはバスでいくことにした。宿の近くにはBambalapitya駅がちょうどあったので、そこからまずスリランカ最大の駅Colombo Fort駅に行く電車に乗る。そこでNegombo行きの列車に乗る。プラットフォームで待つこと数分、以外にも時間通りに列車が来た。ディーゼル機関車に客車が五輌くらい連結している。客車はボロボロで床は木製、扉はもともと付いておらず、車内には裸電球が不安定な電圧のせいか強弱しながら灯っていた。休日のせいか、恐れていたほど窮屈ではなかった。ゆっくりゆっくりと進み、乗り換え駅に到着。Colombo Fort駅はクラシカルな駅で、百年前の駅がそのまま使われている感じだった。ボロさを感じるが汚くはない。むしろ趣を感じるいい建物の様な気がする。Negombo行きの硬券をゲットし、乗車した。今度の列車はディーゼルだが、内装は日本の通勤電車と変わらない。ただ座席がプラスチックだったので少々お尻が痛かった。
 意外と車内の風景は日本と変わらない。強いて言えば、物乞いと物売りがいるくらい。居眠りしてる人、お婆さんに席を譲る人、ケータイをいじる人、新聞を読む人、いたって平和な風景である。それから物乞いには意外と多くの人がお金をあげているのには驚いた。金額にしてはほんの少しだが、恵まれない人には自分の財産を少しだけ分けてあげるといった感覚なのだろうか。スリランカ人の優しさが垣間見えた瞬間であった(ちょっと感動した)。逆に何もしなかった自分が恥ずかしく思えた。
 列車はのろのろと進み(時速30kmくらい?!)、一時間半後にNegomboに到着した。
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                                  中国製の列車
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                                      注:新聞を読んでるお爺ちゃんの両隣の人は他人です
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           駅のホーム
 Negomboは港街で魚市場が有名である。しかし新鮮な魚介類が沢山並ぶ魚市場は見ていて面白い。さらに浜では魚の天日干しが行われていた。ここで作られた干物が内陸部へと運ばれて行くのだろう。一帯は魚のにおいでかなり臭い。海にはたくさんの帆船が浮かんでいる。皆現役の漁船だ。水平線に点在する帆がいい雰囲気を出している。スリランカの伝統的な船は船体から木製の腕が横に出ておりその先に「浮き」がついている(双胴船・カタマランの類)。速度は意外と速い。現役で活躍している所に感心した。
 帰りは例のバスに乗ってみた。乗り物に弱いせいもあるが、吐きそうになった。ただ空いていたので助かったが、満員であったら拷問であったに違いない。急ブレーキ、急発進を何回も繰り返しながら約一時間かけてColomboにたどり着いた。宿まではオートリキシャー(インド製Bajaj)でホテルまで戻った。
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かつてエリザベス女王が休憩したホテル
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第14日目 Colombo最終日
 とうとう最終日になってしまった。この日はColomboで土産物などを買った。市内の複数の店をまわり、いろいろ品定めをして食品、雑貨を中心に購入した。外国人観光客向けの高級店は店内のインテリアがアーティスティックでなかなか居心地がよろしかった。東京とかにに支店を出せば流行るんじゃないかな。ただ僕たちのように薄汚れたTシャツ短パン姿だとちょっと入りずらい雰囲気があった(入店の際、手荷物はお預かりとなった)。
Colomboは意外と小さい町なのでぶらぶら歩きながら買い物をし、あとは宿でパッキングをした。スリランカ航空は30kgまで持っていけるので、かなり余裕を持って荷作りができる。重量を気にすることなく買い物ができたのはうれしい。
 空港までは自走で行くことにしていたが、宿のオーナーからタクシーで行くことを促され、結局タクシーで行くことになった。最後にオーナー夫妻と少しおしゃべりをし、空港へ向かった。二週間に及ぶツーリングがとうとう終わったのである。
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普通にパチもんが売ってますwww
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まとめ
 今回はスリランカ観光の古典的ともいえるルートを自転車で回った。3月という暑い時期であったが、乾期であったため蚊も少なく、猛烈なスコールに見舞われることもなかった。およそ700kmくらい走ったが、実に変化に富んだ土地であるため、ツーリングとしては面白かった。南国のビーチ、熱帯雨林、高地に広がる草原、紅茶畑、ゴム園など様々な風景が楽しめたのである。また住人もシンハラ人、タミル人、バーガー(ヨーロッパ系との混血)、ムスリムなど実は多民族国家であり、彼らが信仰する宗教も仏教(上座部)、ヒンドゥー教、イスラム教、ローマンカソリック、と様々である。仏教徒が多数派だが、イスラム教徒が多い町では他の町とは違った雰囲気を醸し出しており、ヒンドゥー教徒、キリスト教徒(漁村などに多い)の町もまた違った空気を作り出している。小さい島だが多くの文化を味わえるところが旅人としては面白いと思う。また治安に関しては、今回行った地域は悪くなく、むしろ安全といえるだろう。現地の人もやさしく、気さくな人が多いので人間関係で困るということもなかった。買い物の際も、いわゆるボッタクリは一度もなくやかましく値段交渉することもなかった。さらに国道沿いには安宿が沢山あるので、国道から離れなければ宿に困ることはまずあり得ない。総じて、スリランカは自転車ツーリングには向いているのではないかと思う(暑さだけが難点)。以上は南西部と高地をツーリングした感想だが、北部、中部、東部ではまた違ったスリランカが味わえるのではないだろうか。ぜひいつか島内一周をしてみたいものである。
おまけ
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スリランカツーリング 後編 その2」への3件のフィードバック

  1. 0024

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    山あり谷あり交流ありで、いい旅だね。
    これからもいい旅、ビックリするような旅、ぜひやってください。
    OB達にも刺激になるから、きっと。

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  2. いとうりえ

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    卒業旅行にスリランカに行こうか悩んでます。先進国と比べると見劣りしてしまいますが、物乞いをする人の温かさを何気ない電車内から感じたところが素敵だと思いました。私の彼氏はムスリムで、数十万円で宗教祭りに牛を買ってはそれを貧しい人にあげるのだそうです。スリランカ本土への興味が増しました。ありがとうございました。 

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